もくじ
マラソンの健康への影響
数年前から続いているマラソン、ランニング、ジョギングブームで、街中やスポーツジムなどで走る人を見かけない日はないのではないでしょうか。
私の勤務する勝川脳神経クリニック(愛知県春日井市)の周りでも、名城公園や、庄内緑地公園、名古屋ドーム周辺などでランナーの姿をよく見かけます。またマラソン大会も東京、大阪、名古屋、神戸など大都市を走る大規模マラソン大会から小規模なマラソン大会まで多くの大会が開催されるようになり、大会目指して走る人も沢山見かけます。
マラソンの健康への影響を考える前に、そもそもマラソンとは何か、なぜランニングやジョギングの健康への影響としないのかについてお伝えします。
マラソンとジョギングの違い
マラソンとは、広辞苑で調べてみると、「陸上競技の一つ。ギリシアの勇士が戦場マラトンからアテナイまで約40キロメートルを走り、戦捷を報じて死んだという故事に因む競技。第8回オリンピック大会(パリ大会)以後、距離は42.195キロメートルに統一。マラソン競走。」とあります。
つまり、掻い摘んでいえば長い距離を走る競技です。
そしてランニングは「走ること。」
ジョギングは「ゆっくり走ること。健康増進やスポーツのトレーニングのために行う。緩走。」
と広辞苑に記載されています。
マラソンは健康の害になる、ジョギングは健康には有用と広辞苑の文章からでも容易に想像ができます。実際、すべてのスポーツの中でマラソンは突然死が発生する数が最も多いと言われており、ここ数年のマラソンブームでランナー増加し、マラソン中の心臓突然死も増加傾向にあります。
マラソンもジョギングも健康上の影響は同じ
この事から、ランニングは走るという行為、ジョギングの延長線にマラソンがあると考え、健康への影響を考えるのに、マラソンという言葉を使うようにしました。マラソンもランニングもジョギングも走るという事には変わりはなく、運動強度の違いだけだと考えます。
マラソンは基本的には体に良いもの
マラソンは長時間体を動かす有酸素運動であり、基本的には体にいいとされています。有酸素運動が体にいい理由として主に下記の様な事があります。
- 心肺機能、基礎代謝の向上
- 血流がよくなる事で、肩こり、冷え性の改善や、新陳代謝がよくなり老廃物の排出や栄養の吸収がスムーズになる
- 血液中の余っている糖分や脂肪を燃焼し消費する事によるダイエット効果
- 蓄積した内臓脂肪の消費によるダイエット、メタボ改善
- ストレスの緩和・発散によるリラックス効果
マラソンによる健康に悪い事
しかし、いい事ばかりではありません。マラソンによる健康に悪い事として以下の様な事があります。
- 長く走る事による、足の痛み、腰痛、股関節痛
- 心臓、肺、肝臓、腎臓などの臓器に大きな負担がかかる
- 着地により足底の血管の中を流れる赤血球が破壊され赤血球が不足し貧血になる。またその状態が続くと、慢性の貧血になる。
健康増進のためにマラソンを始めてみませんか?
簡単にですが、マラソンの健康への影響を記載させて頂きました。
あくまで、一般論であり、全ての人に当てはまるというわけではありませんが、体にいい部分、悪い部分を理解して、マラソンを始めてはいかがでしょうか?
マラソンはランニングシューズさえあればいつでも誰でも始められるます。なかなか実行に移せない人、いざ始めても長く続けれない人もいるとは思いますが、健康増進のためのマラソンをを長く続ける手助けができる情報を発信出来たらいいと思います。
マラソンによる健康への効果
マラソンが健康に良くないと言う研究結果について
マラソンと健康について調べてみると、日本、海外で様々な研究がされています。
どの様な研究をされ、どんな結果であったか、いくつか紹介したいと思います。
イギリス医師会雑誌ブリティシュメディカルジャーナル(British medical journal:BMJ)の社説に2013年1月に「一定の年齢以降は、長い距離を速いスピードで走ることは、健康を害し、寿命を縮める
その結果、心筋梗塞のリスクを高め、運動不足に陥っている人に起こるのと同じような被害をもたらすようになる。」と掲載されています。
ここでは、長い距離とは、30-40km/w、速いスピードとは、12km/h以上となっています。
これは距離とスピードの2つの研究からなっており、それぞれ簡単には下記の内容の様です。
- 距離について
- スピードについて
「走る人は走らない人より死亡率が19%低かった。しかし一週間に20マイル(約32km)から25マイル(約40km)以上走った人は、走らなかった人より長生きしない」とあります。
この研究は、30年にわたり52,600人が関係している様です。
「時速8マイル(約13km/h)以下で走ったランナーは走らなかった人より長生きしたが、時速8 マイル(約13km/h)以上で走った人は長生きしなかった」とあります。
時速8マイル(約13km/h)はランナーにわかりやすく言うと、1キロあたり4分30秒から40秒となります。
このデータだけをみると長い距離を何年も走り、速いスピードで走る程、心臓に負荷をかけ、寿命を縮めると読み取れます。
しかし、運動は肥満、高血圧、糖尿病、心臓発作、脳卒中などの予防に役立ち、寿命を延ばすとも言われています。
勝川脳神経クリニックのマラソン部は継続してランニングを行い、健康増進を目指しています。何事も継続する事は難しく、ランニング継続の方法の一つとして、マラソン大会の参加を目的としています。
大会参加は、記録を狙う人、完走を目指す人、目標は様々ですが、自分のレベル・体調にあったトレーニングをおこない、健康に安全に、大会へ参加し達成感を味わいたいと考えています。
皆さんそれぞれの目的にあったランニング方法で、マラソンを楽しみましょう。
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