マラソンとインフルエンザ
もくじ
マラソンとインフルエンザ
マラソンの大会に出ようとしてる人や、練習を継続している人は特に、体調の管理に気をつけている人も多いのではないでしょうか。
練習を積んで、いざ大会って日にインフルエンザになり大会の参加を見送る事はしたくないですし、練習も継続している時に体調不良で休んでしまうと、気持ちが切れてしまいます。
今回は、ランナーにとって大敵とも言える、今の時期に流行するインフルエンザとマラソンについてお話しします。
インフルエンザについて
インフルエンザとは、インフルエンザウイルスに感染して起こる感染症です。インフルエンザウイルスには A型、B型、C型があり、人に感染するのはA型とB型です。
現在、愛知県内にインフルエンザ警報が発令されています。
平成30年12月27日現在、国立感染症研究所が定める警報の指標である「30」を上回る地域は下記の場所です。
保健所単位になりますが、
瀬戸保健所、春日井保健所、知多保健所、衣浦東部保健所、西尾保健所、岡崎市保健所、豊田市保健所の7箇所です。
インフルエンザは、通常、12月上旬から3月下旬にかけて流行します。症状として、38度以上の発熱に鼻水、くしゃみ、咳など風邪の症状や、頭痛、関節痛、筋肉痛など症状が現れます。小児においては、急性脳症になったり、高齢者などでは肺炎を伴う場合もあります。
インインフルエンザの予防のためには、インフルエンザワクチンの接種を受けたり、マスクの着用、手洗い、空気が乾燥しないように室内では加湿器等で湿度を保つなどがあります。
また身体の免疫力が低下しているとインフルエンザにかかりやすくなります。
インフルエンザとマラソンについて
「インフルエンザは、12月上旬から3月下旬にかけて流行する」
この12月上旬から3月下旬はマラソン大会の開催が最も多い時期でもあります。インフルエンザに罹ってしまうと、練習を休止する事による走力が落ちてしまうという不安もありますし、大会自体参加できなくなってしまいます。
こんな事にならないように予防をしましょう。
インフルエンザの予防
インフルエンザの予防には感染の経路を知るり予防する事、予防接種をする事が必要と考えます。
インフルエンザの感染経路と予防
インフルエンザウイルスの感染は、せきやくしゃみによる飛沫や接触により、体内にインフルエンザウイルスが入ることでおきます。
これを飛沫感染、接触感染といいます。
- 飛沫感染とは
- 接触感染とは
インフルエンザに罹患している方の咳やくしゃみにより、インフルエンザウイルスを含んだ飛沫が発生し、その飛沫を吸い込む事によって感染する事。
インフルエンザウイルに限らず、SARS、風疹、流行性耳下腺炎、100日咳などもこの感染経路となります。
インフルエンザに感染した人の痰などを触って、そのまま目、鼻、口に触る事によりインフルエンザウイルスに感染する事。
これらの予防には、飛沫感染予防の場合はサージカルマスクの着用、接触感染の予防にはこまめな手洗いが一般的に有効です。
予防接種
予防接種は、弱めたりしたウイルスや細菌を体に入れ、病気に対する免疫をつける事を目的にしています。インフルエンザの予防接種(インフルエンザワクチンの接種)はしたからといって感染しないとは限りません。また、インフルエンザの予防接種は直後から効果があるわけではありません。接種1ヶ月後から効果が現れます。
インフルエンザウイルスが口や鼻から体の中に入りウイルスが増殖する事を感染といい、さらにウイルスが増えると、潜伏期間を経て、発熱やのどの痛み等の症状が現れて発症します。
インフルエンザワクチンには感染には効果は見られず発症を抑える効果ががあります。
つまり、インフルエンザワクチンの接種をする事は、インフルエンザの発症を予防と重症化の予防する事となります。
インフルエンザの予防接種の効果は、接種後3~5ヶ月です。大会の予定に合わせて接種時期を合わせる事も必要と考えます。マラソン大会の多い3月中旬くらいまで、予防接種の効果を持たせようとするならば、12月中旬に予防接種を受けるのもいいのではないでしょうか。
インフルエンザワクチンの接種日の当日にマラソンをしてもいのかと良く質問がありますが、注意事項に、「当日は激しい運動はやめましょう」とありますので休息日、休足日にするといいのではないでしょうか。
その他
十分な休養、バランスの取れた食事による体調管理、インフルエンザが流行してきたら、人混みへの外出を控えるなどの方法もあります。
もしインフルエンザに罹患してしまったら
マラソンの大会、練習はお休みして下さい。
インフルエンザの重症化してしまうと肺炎や脳症など重い合併症が現れ、入院となってしまったり、ひどい場合では命を落としてしまう場合もあります。特に、高齢の方などでは重症化する可能性が高いのでゆっくりと療養して完治してから大会参加や練習再開して下さい。
また、完治前に大会参加や練習を再開してしまうと、周りの人にインフルエンザウイルスを移してしまう可能性もあります。
一般的にインフルエンザの発症から5日後、かつ解熱から2日後までは最低限の大会の参加、練習の再開は止めることをお勧めします。
インフルエンザの重症化による合併症
インフルエンザが重症化すると、インフルエンザ脳症や、二次性細菌性肺炎などの合併症を引き起こす場合があります。
インフルエンザ脳症
インフルエンザ脳症は、インフルエンザの合併症の一つで、インフルエンザウイルスに感染により、免疫が異常に活性化し、脳が炎症を起こし腫れてしまう事です。
インフルエンザ脳症は、主に5歳以下の小児に多く、年間100~300人程度発症しています。特に1歳〜3歳の子供には注意が必要です。成人でもインフルエンザ脳症は小児と同様な症状が現れますが、小児に比べインフルエンザ脳症の発症は少ないと言われています。インフルエンザ脳症の症状が進行すると、1~2割は亡くなり、3~4割に後遺症(知的障害、てんかん、四肢麻痺など)が残るとも言われています。
インフルエンザ脳症を疑う主な症状には、痙攣、異常行動、異常言動、意識障害などがあります。これらの症状は発熱など一般的なインフルエンザの症状が出てから12~24時間後に現れる場合が多いと言われており、高熱が発症する前後にこのような症状が現れた場合はすぐに医療機関に受診して下さい。
(一般的なインフルエンザの症状には発熱の他、嘔吐や咳、鼻水、頭痛、関節痛などがあります。)
インフルエンザ脳症の経過では、けいれんと意識障害が出現しおくれて全身の臓器障害が現れます。最悪の場合では、ショック・心肺停止となる場合もあります。
- 痙攣(インフルエンザ脳症による)
- 異常行動、異常言動
- 意識障害
全身又は体の一部がピクピク、ガクガクとふるえる症状です。この症状が長く(15分以上)続いたり繰り返す場合や、左右非対称な動きがみられる場合は注意が必要で、医療機関への受診が必要です。痙攣は、インフルエンザ脳症以外でも熱性痙攣(高熱のために起きるけいれん)の場合もあり、熱性痙攣の場合は、1〜5分以内でおさまり後遺症が残る心配はありません。インフルエンザ脳症による痙攣は、熱性痙攣と違い異常行動が先に起こる割合が多いと言われています。
痙攣が起きた場合は、痙攣の起きている時間をはかり、両手・両足のふるえ方が左右対称かどうかを観察する必要があります。
また、痙攣中は体を揺さぶらない、口に食べ物を入ないなどの注意も必要てす。
(余談)
熱性痙攣について
熱性痙攣の特徴は以下のとおりです。
38℃を超える高熱後24時間以内に起こる
数分間で自然におさまる
左右対称性に起こる
上記のような特徴をもたないタイプもありますが、熱性痙攣では基本的に、神経学的な後遺症が残ることはないと考えられています。(熱性痙攣では脳にダメージが残ることはありません。)
(具体的例)
ぼーっとする
眠ってしまう
ものの区別ができなくなる
幻視幻聴幻覚の訴える
急に怒ったり笑ったり泣き出したりする
急に大声を出したりたりすり
つじつまが合わないことを言う
急に部屋を走り回ったりする
うわごとを言ったりする
などがあります。
熱でうなされた場合の症状の事もありますが、インフルエンザ脳症の前触れの可能性もあり脳症による症状とは見分けは難しいです。そのため慎重に経過を見る必要があります。
(具体的例)
名前がわからない
日にちがわからない
ぼーっとしている
眠ってしまう
呼びかけに反応しない
刺激に反応しない
などがあります。
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